雨漏りの原因事例
2024年10月18日

カラーベスト葺屋根のアッと驚く雨漏り原因 西宮 尼崎 芦屋

いつもお世話になっている工務店様からのご相談です。

30年近く前のカラーベスト葺屋根建物が雨漏りしているとの事、調査にお伺いしてみると大きな屋根の木造住宅なんですが途中で増築をされたそうです。

その増築部分との境の辺からの雨漏りとの事でした。

確かに屋根に上がってみると屋根の途中に板金製のカバーが取付けられていて、ここが屋根の継ぎ目だと解ります。

工務店様から「この屋根で考えられる雨漏りの原因は?」と尋ねられていくつかの可能性をお話しました。

その中で一番最初に考えられる原因はあまりにもあり得ない原因でしたので「さすがにそんな間抜けな施工をするヤツはいないでしょう」と半笑いでお話しをしました。

で、その他考えられる原因を簡単な形で処置して雨を待ちますとやはり漏れているとの事。

じゃぁ、まさかと思いますがと一番最初に考えた原因箇所の板金カバーをめくって見ると…カラーベスト材を葺いたことのある職人なら誰でもわかる、屋根材を葺く際に使う重要な板金部材が入っていない、というあり得ないことが実際に行われていました。

しかも上から被せる板金カバーの下地木材は直接屋根材に穴を開けて留めているのですが、さすがにこれじゃマズイかな?と思ったんでしょう、板金カバーとカラーベスト材との隙間をコーキング(防水用のり)で塞いで有りました。

常に雨で湿っている状況でしたので中の下地木材はほぼ原形を留めないほど朽ちていましたが、幸か不幸かこのコーキングが接着剤となり板金カバーが風でも飛ばずに済んでいたようです。

でも長年この状況でここまでこれたなと変に感心してしまいました。

今回もそうですがカラーベスト葺屋根の雨漏りでコーキング(防水用のり)を塗れば直ります、と思っている人がすごく多いんですが、コーキングで直せるのは明確な穴あきが原因の場合のみです。

カラーベストという材料は見えている部分より重なって見えない部分の方が多い材料で、重なり部分の水は下方向では無く横方向に流れる特性が有るので上からコーキングを塗っても逆効果にしかなりません。

この辺はいずれ詳しくお話しすることにして、原因が判明しましたがこれを直そうと思えば すこし(かなり?)手間が掛かりますが、該当箇所の屋根をめくって肝心な板金部材を入れ直さないと直りませんよ、と話が進みまして工事を行いました。

なんでもこの増築工事をされたのは有名な建築会社だったとの事ですが、実際に屋根の施工をするのは建設会社の社員では無く、下請けの工事会社です。

規模を考えると一人の職人さんが対応したのではなく 複数の職人さんが現場に入られたのだと思いますが、誰もおかしいと思わなかったのでしょうか?

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