雨漏りの原因事例
2024年06月08日

天窓の雨漏り原因は「鉛」です。 西宮 芦屋 東灘

工務店様から屋根で雨漏りがしていてその原因がどうも天窓らしい とのご相談です。

確かに確認してみると既製品で作られた天窓なんですが その部材の一部に細かく波付けされた「鉛」で作られた部材が付いていました。

もちろん既製品の天窓に付属の部材なんですが 何で波付けされた鉛なのかというと、薄い鉛で作られた部材は柔軟性が有り瓦などの立体的な形状にも容易くなじませることが出来るからです。

ところが実はこれが原因の雨漏りが多いんです。

理由は経年や形状的に穴が開きやすいからです。

瓦屋根に天窓を取付け、その瓦に雨水が流れる様に薄い鉛部材を瓦になじませる必要があるんですが どうしても無理な形状になりやすく、そこから穴が開くケースが多いようです。

築年数による経年劣化も有りますが 特に今回は瓦の中でもより凹凸の大きな「S瓦」と呼ばれる(スパニッシュとも呼ばれます)形状の瓦でしたので余計に無理な形状になっていたのかもしれません。

以前にもどなたかがコーキング(防水用のり)を使って直そうと試みたような形跡が有りましたが 再発した様な感じですね。

そこで今回はこの既製品の部材を取外し、すべて私がガルバリウム鋼板で作り直すことにしました。

通常 私はこのS瓦の場合は あまりに凹凸形状が激しいので銅板を使います。

耐久性を考え 通常より分厚い銅板を瓦の形状に合わせていくつかのパーツを立体的に加工し、「ハンダ付け」を用いてつなぎ合わせることで瓦に馴染む物が作れるのですが今回は「ガルバリウム鋼板でお願いします」とのご依頼が。

まぁ最近の銅価格の高騰はすごい物が有りますので出来れば少しでも低価格でしたい、という事も有るのでしょう、その指示で行う事になりました。

但しガルバリウム鋼板は銅板のような柔軟性は有りませんので基本的に直線形状の物しか作れません。

ですので銅で施工した様に瓦になじませることは出来ませんし、特に今回はS瓦ですので正直うまくできるか不安でしたがなんとか水が流れる様には出来ました。

瓦屋さんも特殊な粘着性のあるシートを使って頂きかなりしっかりしたものが出来ました。

出来あがった物を見て監督さんが「ガンダムみたいやな」って…。

まぁ確かにゴツイ感は有りますが。

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